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あまづつみまなみさん

清岡 正明さん

Uターン(2007年3月)

前住所:東京都渋谷区→横浜市

出身地:南あわじ市

現住所:南あわじ市

職業:古民家アトリエショップ Char* by cheep-cheep(デザイナー、パタンナー)

家族:夫婦、子供2人

淡路島が生み出す土地のエネルギーの高さを感じています

Q1 南あわじ市に移住したきっかけ

当時(8年前)、子供たちがまだ小さくて淡路島に帰省すると「淡路島がいい」、「淡路島に住みたい!」と言うようになり、その頃、横浜のマンションに住んでいて、仕事も生活も子育ても全部一緒になっていました。小さい子供を二人抱えて子育てと仕事をしている中で、ちょっと預けようと思うと、都市部では友達のところか無認可の保育所で一時預かりという状況で、頼る人が少ないことに不安がすごくあったんです。淡路島はモノ作りにも向いている環境だと感じ始め、ネット環境も普及していたし、だんだん淡路島でうちの家族が全てうまく回る場所なんじゃないかと、夫も子供もみんながそう思っていたんです。自分たちも田舎育ちなのもあり、都会の環境よりは田舎の自然に触れる環境、おじいちゃん、おばあちゃんが近くにいる淡路島の環境が子供たちにとっても安心感があったと思います。ここなら実家も近くて、子供たちもとっても喜びその姿をみて幸せを感じました。

Q2 Uターンしてきて良かったこと・魅力

普通に、身近に食べるものがあることと、土地の安心感がありますね。買わなくても、時には人から届けられるという環境が子育てに一番良かったですね。
また、海があり山があり自然の中に開放感がある、淡路島の生み出す土地のエネルギーの高さを感じています。

Q3 移住してきて苦労したこと

淡路島から出たくてもう二度と帰ってこない、と思っていましたが、子供たちから自然の大切さを教えてもらい、「淡路島で絶対うまく行く!」と不安はなくUターンして来たんです。住みだすと、実際、私たちが移住してきた頃は、移住者も少なくて、小さい時の感覚をまた感じることが多かったし、これから淡路島はどうなっていくのかなという感じでした。
東日本大震災以降、大きな時代の変化があり、子供たちのことを考えるともどかしさを感じましたが、一方では移住者の若い方たちと交流を図りながら、他方ではもっと地域の人たちと関わりをもつことがいいのではないかと、ここの古民家に移り住み、リノベーションしたアトリエを開放してワークショップを定期的にしていました。
今は「これからの未来をどう変える?」みたいなことは、あまり考えないかな。きっと、みんなが、行く先々で自分のやるべきことをやればいい、そうして人と繋がっていくことが未来に繋がるんだと思うんです。

Q4 現在のお仕事

夫婦でChar*というブランドを立ち上げ11年目。共にデザイナー、パタンナー、製造企画販売の活動をしている。縫製は工場に依頼し、南あわじのアトリエ兼ショップ(来訪時は要予約)と、神戸市内のショップ(2016年2月~)で直営販売。その他、ネット販売と、阪神間のセレクトショップに卸販売をしています。
Char*は長年、定番作りをしてきて自然素材を使い長く大切に愛用してもらえる洋服作りを心掛けています。
淡路島に移住後、「ドンザ」という藍染の刺し子を施した漁師着が今でも残っていて、それを拝見したときにビビっ!!ときたんです。「これから何が必要なのか」、「この時代 に沿ったモノづくりをしたい」と感じていたことと、小さいころから見て育ったいつも見る海の色を「この藍染で表現できるのではないか!」と。現在は、主人がChar*をメインに活動をして、私は藍染に出会ったことで、神戸に出店や滋賀県に藍染に行きながら、洋服を一枚一枚手染めしたり、藍を育てる活動をしています。
昔は藍染ができる環境や刺し子をできる人が淡路島にもたくさんいたんですよね。子供たちもすっかり高校と中学、この先、わたしの「藍染」という活動を通して日本のジャパンブルーの美しさや衣の在り方、環境を感じてもらえればうれしいなと想っています。

Q5 平日・休日の過ごし方

私は平日も休日も全然ないんですよ。
週末は神戸のショップや、自然農や藍染で滋賀県に行ったり、中国茶も習っているので京都府に行ったり。たまに時間が空いたりすると、子供のサッカーの試合を観に行ったりしています。
子供が小さい頃はずっと子育てに追われて、子育て重視できたけれど、だいぶ落ち着いてきて、淡路島にいることで生活と仕事が一緒に動いているような、休日も仕事であってもそれは好きなことなので、理想のカタチだと思います。

Q6 田舎暮らしを考える人へのメッセージ

今は島外へも関わることが増えていき感じることは、結局は、田舎にいても都会にいても同じだと思うんですよね。
関東で過ごした都会生活では、子供が小さかったこともあり住み辛さを感じUターンしてきましたが、今では、都会でもコミュニティが増えていっていて、もっとみんなが交流する場があれば、みんなの不安がなくなると思うんです。例えば、「これ作ってきました」って食べ物をシェアする時間がとても温かくて良いんじゃないかと思います。田舎にいても、都会にいても、自分のコミュニティを持っていれば、どこにいてもやっていける と、最近考えるようになりました。
職がないから、田舎で暮らせないんじゃないかと言う声もよく聴きます。大勢いれば、いろんなアイディアが出てくるし、自分にできることも感じられて、それをシェアする場があれば、職に繋がっていくんじゃないかと思いますね。そうした集いの中から生じてくる繋がりを職に変えていく、というのが今の大きなテーマです。

Char* by cheep-cheep

http://char-by-cheep-cheep.com/